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育てられた我々が思い切り読むのである

ちょっと前に購入した「僕らを育てた映画美術のすごい人・池谷仙克」を読了。

IMG_1540.jpgこれは映画俳優・声優・スタッフ等のインタビューを一冊の本として纏めたシリーズの最新刊だが、扱いとしては同人誌の部類に入る物である。

出版は「アンドナウの会」というグループが行っており、過去には私も「僕らを育てた合成のすごい人・飯塚定雄」「僕らを育てた本多猪四郎と黒澤明・本多 きみ」の2冊を入手して読ませて貰った。

今回の池谷さんのインタビューは追悼と言うには遅いけど(池谷さんは2016年にお亡くなりになっている)生前の貴重なお言葉をこれだけのボリュームで(総ページ数150でインタビュー部分は104ページ←残りは注釈と解説)読めるのは同人誌ならではの深掘り具合があって読後はお腹いっぱいという気分に浸れた(聞き手は怪獣絵師の開田裕治さん、特撮研究所の三池敏夫監督、アンドナウの会の 高倉一般さん)

特に私は「帰ってきたウルトラマン」が大好きだったので、その初期の怪獣たちをデザインされた池谷さんには第一期ウルトラの怪獣生みの親である成田亨さん以上に親愛の念を抱いていたのである(ツインテールとグドンなんてその代表格みたいなヤツらだったなあ)

※池谷仙克さんプロフィール

この本では取材日のデータ等が記載されておらず(私が見落としている可能性もあるけど)いつ頃の話かというのは文脈で想像するしかないのだが、おそらくは2012年あたりからスタートしているような感じではあったかな。

一読して思ったのはやはり池谷さんは「怪獣(特撮)デザイナー」と一括りにされることを嫌悪されていたのではないかということ。これは先輩の成田亨さんと同じでアーティストとしては当然の態度であるとも言えるが、どこかで「一般の作品でもっと評価されたかった」という本音が若干滲んでいたようにも感じたなあ(当然特撮の仕事がイヤだったわけではなく、あくまでもいろんな仕事の中で「そういうこと」も真剣にやってきたという捉え方をしてほしかったというのはインタビューを読んでいるとよくわかる。けっきょく最後まで"怪獣デザイナー"としての評価が一番になってしまったことに忸怩たる思いもあったのでは無いだろうか)

それで読んでていてスゴいな、さすがだなって感じたのは怪獣デザインがもう行き着くところまで行ってしまって今は創造が難しくなっているという話題になったときに池谷さんが「イメージが出尽くすなんてことはあり得ない」と力強く仰ったことで、なんてカッコ良いんだと感動してしまった(70歳を超えてなお現役クリエイターとしてのプライドを滲ませたオトコマエ発言だったなー(>o<))

それ以外にもいろんな映画・テレビ作品にまつわるエピソードが満載なので、興味ある方は一度読んでみていただきたい。このシリーズはAmazonはじめいろんな通販サイトで入手可能なので比較手に取るのもイージーだと思われます。

・Amazon購入ページ
・まんだらけ通販(Amazonで品切れの物が古本で売られていることもあり)
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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 2

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トガジン  

雲の形

こんばんは。

『帰ってきたウルトラマン』を夢中になって見ていた小一の頃、何かの雑誌で「毎週怪獣のデザインを考えている人」のインタビュー記事を読んだ記憶があります。
「奇抜な怪獣をデザインする時ヒントになるものは?」との質問に「いつも空を見上げて雲を眺めている。雲の形は既成の動物や物の形にとらわれないから。」と答えておられました。
このインタビューに答えていたデザイナーが池谷仙克さんだったのかあるいは後期の熊谷健さんだったのかは記憶が定かではありません。
でも、今でも見上げた雲がなんとなく怪獣っぽく見えたりなんかすると、なんだか嬉しくなってあのデザイナーさんの言葉を思い出します。

2020/12/30 (Wed) 00:29
しろくろShow

しろくろshow  

それは確かによくわかります

>トガジン さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

ああいう希有な才能を持ったデザイナーさんというのはモチーフの見つけ方も独特なように感じますね。ガラモンのデザインが「こち」という魚だったというのも成田さんのインタビューで読むまで知りませんでしたし、ブルトンがイソギンチャクから着想を得たというのも意外でした。

この本で池谷さんが仰っていたことだとノンマルトの顔をキャベツの葉っぱからヒントを得た、なんてはなしにはホンマかいなと( ̄。 ̄;)驚くしかありませんでした。

この雲や山影の形や天井の汚れなんかを見て「怪獣みたい!」と思ってしまうのは我々特撮ファンの基本的習性なのかもしれませんね(^_^;) 私も未だにそんな見方をしているので、そういうお話は良くわかります。

2020/12/30 (Wed) 18:43

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