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四次元の夢のあと、ベッドに君がいた

タイトルは♪ハートじかけのオレンジ♪より。

と、いうことでこの20日日曜日、隣街の香川・宇多津まで「時計じかけのオレンジ」を見に行ってきた(「午前10時の映画祭」での上映)

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「ジョーズ」以来の宇多津入りとなったが、忙しさにかまけて「ブルース・ブラザース」も「ゴッドファーザー」もスルーしてしまい、これはいかんぞと猛省していたので今回の「時計じかけのオレンジ」はなんとしても映画館で見てやるつもりでいたのである。

我が輩崇拝する監督さんの一人はスタンリー・キューブリックではあるのだけど、そのキューブリック映画を映画館で見たのは「シャイニング」と「フルメタル・ジャケット」しかなかったこともあり、このチャンスを逃すことは出来ないと思っていた。

そしてキューブリックにわたしが興味を持ったのは中学のときに読んだ「スターログ」という雑誌で特集されていた記事がきっかけだったのだ。↓画像にあるこの号がまさにそれだったのだけど、実はこれが私が買った初めての「スターログ」で、以降廃刊になる100号までずっと購入し続けることになった記念すべき(?)本でもあったわけである(1980年12月号・通巻26号)

ku.jpgこの号ではキューブリックの日本公開間近だった新作「シャイニング」とSF関連過去作品(「スターログ」はSFビジュアル雑誌だったので)三本が紹介され(「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」「博士の異常な愛情」)ここでかなり強力に啓蒙を受けたような印象があるのだ。

それまでは「2001年」くらいしかその存在を知らなかったし実際見たことある映画は一本も無かったので最初はふむふむと流し読みして終わったのだが、この直後劇場で「シャイニング」を見ることになり結果良い意味でエライ目に遭ってしまい( ̄。 ̄;)心の底から衝撃を受けた我が輩はキューブリックの他の映画(特にスターログで紹介されていた三本のSF映画)に対してあらためて興味を持ってしまったのである。

映画館から戻ってからは劇場で買ったパンフとこの「スターログ」の記事をとっかえひっかえ読み込んだ事を思い出す。

その後は「スターログ」を定期購読するようになったのでキューブリック関連の話はちょいちょい目に出来るようになったし(何を思ったか突然「今日からクーブリックと呼ぼう」みたいな独自キャンペーンを誌面の中で始めたこともあったなあ←ぜんぜん定着しなかったけど(ーー;))翌81年10月の「2001年」地上波初放送(日曜洋画劇場)に対する情報もきっちり拾うことが出来たのであった(あのオンエアで見たのが私にとって初めての「2001年」体験。たしかノーカットを謳っていたはずだがこのときはほぼ内容を理解することが出来ず(@@;) 特撮だけを満喫していた気がする)

「博士の異常な愛情」もテレビの深夜枠で後に見たので(吹き替えのキャストも良かったし分かり易くて面白い映画だった)残るは「時計じかけ」だけとなっていたのだが、これが今思えば地上波で流れるはずもなく(あの頃はどういう話か詳細があまりわからなくて、まあ紹介記事にはやたら裸が写っていたから単純に放送コードの問題だろうかと簡単に考えていた)けっきょくLDのソフトを自分で買って見るまでついぞ機会は訪れなかったのである(記憶が曖昧で何年頃かはハッキリしないが家に残っている早川の原作本(著者はアントニー・バージェス←劇中でアレックスのグループに襲われる老作家のモデルとして自らを投影しており、実際アレに近いことを体験しているそうだ)の奥付が85年だったから、たぶん80年代中期から後期にかけての時期だったのではないか。たしかLDの補填用に原作本を一緒に買ったと思う)

よーやく全編鑑賞可能となった「時計じかけのオレンジ」は私が思っていた映画とはもう全然違っていた(ーー;) ざっと印象だけで語るとその中身はひたすら暴力とセックスを繰り返しつつ、随所に喜劇的要素がパッケージされたものすごく不思議な映画だったのである。そこにあるのは性善説を鼻で笑うかのような悪夢の如き風刺劇であり、何処まで行っても「人間なんて所詮は都合の良い生き物なんだ」と言った斜め上からの視点のようにも思えたのだった(完全なサイコパスである凶悪犯を為政者の思惑一つで英雄(国政の犠牲者)に祭り上げたりするあたりなんか特に)見終わったあとは「シャイニング」の時と同様エライものを見たなと( ̄。 ̄;) きょーれつなインパクトを私の中に残してくれたのである(それといろんな所に出てくるペニス型の小道具やミルクバーのセットがお洒落だなと思っていた)

今回大画面での再見では新しい発見や感想の変化といったものは自分の中では特になかったけど、アレックスの母ちゃんが画面に登場するたびにどんどん派手な服に変わっていくのが(おばあちゃんの仮装にしか見えないところが)妙におかしいという(~_~;)、細かいポイントが目に留まったくらい。それ含めてもやっぱりスゴイ映画だったなと感じたのは初見時と同じだった。

それからこの映画、劇中には「ホラーショー」「インアウト」「ドルーグ」「デボチカ」等、良くわからない言葉が使われているけれども、コレはナッドサットと呼ばれる未来のスラングで、字幕にはアンダーラインを引かれた状態で表示されるのだが画面を見ていれば「なんとなく」わかるようにはなっている。このへんは原作を読めばナッドサットの全てにルビで意味が書かれているので映画見た後でこちらを読めばより理解が出来るはずである。

あと参考文献で私がもっとも感銘を受けたのは町山智浩さんの「映画の見方がわかる本」になるだろうか。この本を読んでもらえれば「時計じかけ」に対して嫌悪感を持っている人でも少しは「なるほど」と思ってくれるかもしれませぬ。

これで「午前10時の映画祭」も私が見たいと思っている劇場での未見作品は「レオン」「アラビアのロレンス」「七人の侍」くらいになってしまった(あとはだいたい映画館で見ているヤツが多いのでたぶん行かない。「ウェストサイド物語」も見てないけどそんなに好きじゃないのでこれもスルーの予定)どうせなら今年で最後と言わず来年も開催してくれたら良いのに。

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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 6

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こじか  

ご無沙汰しております〜(ひょっこり、

普段は人様の「時計じかけ」評を読まないんですけどね、さすがしろくろさん!めちゃくちゃ興味深く読み進めてしまいました。キューブリック作品との順を追った接触エピソードだなんて、もう聞いてるだけでもワクワクで。原作本もお持ちだったんですね^^ わたしも中学生の頃に祖母から貰ったお小遣いで購入しまして、「何を買ってきたの?」って聞かれて応えられなかった記憶がございます(笑

そして劇場鑑賞おめでとうございます。

またお邪魔しまーす( ´▽` )

2019/10/22 (Tue) 23:56
しろくろShow

しろくろshow  

よーやく三本目の劇場体験でした

>こじか さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

そういえばお久しぶりなんですが、最近わたしこじかさんのyoutubeチャンネルをよく見ておりますので、なんとなくそれほどインターバルが空いているような気がしていませんでした(~_~;)

と、いうことでようやくのスクリーン鑑賞と相成りましたが、やっぱりイイですよねー「時計じかけ」。今回は自分の過去を振り返ることでキューブリックとの出会い、ひいては「スターログ」との出会いをしみじみと思い出してしまいました。じつはもう「スターログ」のバックナンバーって創刊号以外残ってないんですけど、ちょっと古書で何冊か買い直そうかとも思っています。

あ、バリー・リンドンの例のブツが届いたらまたブログに詳細アップしてくださいねー(^^)楽しみにしてます。

2019/10/23 (Wed) 22:25

楽珍劇場  

あえてのクーブリック読み、「スクリーン」みたいでなんか面白いですね

ワタシの『時計仕掛け~』とのファーストコンタクトは高校生の時、図書室にあった原作本でした
とにかく刺激的で「すごいもん読んだ」と思いましたね

映画の方は、情報誌なんかで「ビデオソフトついにリリース!」みたいな記事を読んで、ワクワクしながら近所のアコム(当時はビデオレンタルもしてました)に借りにいったと記憶しています

その頃のワタシはビデオレンタルで過去の名作・怪作を発掘するのが楽しくてしょうがなく、確かパゾリーニ『ソドムの市』や、ホドロフスキー『ホーリー・マウンテン』なんかも同じくらいの時期に観ていて、『時計仕掛け』も含め「世の中には大変な映画が存在するのだなあ」と感慨深かったです

話しは変わりますが、
Showさんが香川に来訪された20日、ワタシの方は徳島入りしてました
目的はイオンシネマ徳島での『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』鑑賞でした
偶然ですがお互いに県境を越えての映画鑑賞デーだったようです

やっぱり好きな映画をスクリーンで楽しむのは最高の贅沢ですね!

2019/10/23 (Wed) 23:05
しろくろShow

しろくろshow  

レンタルビデオ黎明期はカルト映画も重宝されてましたね

>楽珍劇場 さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

おおっ、こんなケースも珍しい(ーー;)しかもイオンシネマ徳島でガンダムやってたのわたし全然知りませんでした( ̄。 ̄;)なんたる不覚。徳島では12年前に徳島ホールという今は無き映画館で地元アニメファン有志の企画した劇場版ガンダム三本立てというイベントがあったんですが、あれ以来の快挙だったというのに勿体ないことをしました。

しかし名画座、二番館と言った旧作名作上映の文化がほとんどない四国で、少ないながらも劇場で古の映画を見られる機会があるのはありがたいと思わなければなりませんね。

それと「ホーリー・マウンテン」ほんと変な映画でしたね~。ホドロフスキーの映画だとわたしはカルト映画という言葉が流行りだした頃に「エル・トポ」から入って「サンタ・サングレ」にいってそれから「ホーリー」に辿り着いたような記憶があります(けっきょく全部ヘンな映画だったというのがなんとも)

楽珍さんが書かれているとおりレンタルビデオ黎明期の80年代は「時計じかけ」もカルト仲間の一本だったと思いますし、あの頃だと「ウィッカーマン」(クリストファー・リーの方)とか「ピクニックatハングングロック」とか「ピンクフラミンゴ」とか、そんなタイトルも良く耳にしたなーと、今回頂いたコメントを読んでいろいろな郷愁に浸っております。

2019/10/24 (Thu) 22:16

ロッカリア  

この「スターログ」、昔買っていました。
かなり揃えたんですが、全部捨てちゃいました…。
私は第1巻からかっていましたが、歯抜けも結構ありました。
今も「映画秘宝」はマメに買っていますが、「スターログ」ほどSFに振っていないのが残念です。
懐かしい記憶が蘇りました。感謝感謝です。

『時計じかけのオレンジ』のサントラLPに、幻のサントラと言ってもいいレコードが作られ、発売されたのをご存知でしょうか?
全曲をシンセサイザーで作った「A Clockwork Orange: Wendy Carlos's Complete Original Score」と言うのがそれで、当時買おうか迷ったLPです。
買っておけば良かったと、後悔しています。
インポートのCDなら、アマゾンでも売っていますが、高い…。
ジャケットも、かなりパロってます。

では、また。

2019/10/24 (Thu) 23:45
しろくろShow

しろくろshow  

幅が広かったなと言う印象でした>スターログ

>ロッカリア さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_
それとこちらではお久しぶりです(^^)

「スターログ」は映画やテレビ以外も小説からアートから取り扱うジャンルがめちゃめちゃ広かったように思います。この本で筒井康隆の事を知ってハマったこともありましたし、フラゼッタやメビウスのイラストもココで初めて見た記憶がありますねー(今ふいに「帝国通信」の読者いじりが厳しかった事とかも思い出してしまいました(ーー;)あのヤマト盗作ネタの彼は今頃どうしてるんでしょうか)

>>「A Clockwork Orange: Wendy Carlos's Complete Original Score」

サントラコレクターの友人がいるんですが、この人に聴かせてもらったような気がするんですけど録音して貰った音源が今手許にないので確証はありません。要は「ゴジラ伝説」みたいなモノだなという認識だったような・・・

それにしても「スターログ」私も今になって読み返したくなってきました。このあとで古書サイト廻ってこようと思います。

2019/10/25 (Fri) 20:51

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