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37年前に描かれた二ヶ月後のはなし

今月に入ってシネマサンシャイン衣山(松山市)が「ブレードランナー・ファイナルカット版」を二週間限定で上映するという情報がTwitterに流れてきた。しかもこれがIMAXの上映になるとのことでなんとか見てみたいと思っていたのだけれども、先月今月と遠征続きで予算に乏しく、しかも私自身が体力・心身両面で軽度の夏バテを起こしており(ーー;) 行くか行くまいかを何日もウジウジと悩んでいたのであった。

自分の場合いつもならこのままスルー、で終わるのが毎回のパターンだったと思うけど、ここ最近身近な人たちの訃報や同世代の知人が何人か病に倒れて日常生活がままならなくなっている姿等を見聞きしていたこともあり、人間少しでも「○○をやりたい!△△をしておきたい!」という願望があるのなら、そして少しでもそれを実行できる可能性があるのなら、多少ムリしてでもゴーサインを出すべきではないのかという考え方に自分の中ではシフトしつつあったのである(要は元気なウチにやりたいことをやっとかないと、思ってる以上に残された時間はそんなに無いぞと言うことに遅まきながら気がついたのですわ(>o<))

なので今回は移動の運賃を極力抑えることにしたのと(徳島から川之江まで一般道、そこから松山まで高速利用というケチケチドライブで。おかげで片道4時間半くらいかかったけど( ̄。 ̄;))シネマサンシャインのサービスデー(15日)に乗っかかることで追加料金の派生するIMAXを少しでも廉価で見ることにしたのだ(サービス料金に400円がプラスされて合計1600円)
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IMAXについては私は三度目の体験になる。最初が同じ衣山で4年前に見た「ジョン・ウィック」で次が3年前に大阪エキスポ109シネマで見た「アメリカ・ワイルド」という短編映画。「ジョン・ウィック」の時はリンク先の本文でも書いているとおりそれほどIMAXの魅力というのを実感することは出来なくて、大阪であの規模のモノを見たとき初めてコレはスゴいなと思ってしまったのだが、今回の衣山での「ブレードランナー」IMAX版は我が輩にエキスポ体験以上の大きな感動を与えてくれたのであった。
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そして実は劇場で「ブレードランナー」を見るのは正真正銘今回が初めて。確か82年の封切りでは徳島でも上映されていたはずなのだが、私は行かなかったのだ。その後廻りにいた映画友達が「ブレランええぞ」という話を延々と言い出して、さすがに気になり始めた我が輩は当時徳島市内にあった輸入ビデオ専門店"PICKUP"という店でLDをダビングしてもらい(そういうサービスがまだ許されていた時代だったのだよ)それでこの映画を見たのが最初だったと思う(国内盤ビデオソフトはまだ未発売だった)

輸入モノなので当然字幕は無く、何を言ってるのかはサッパリわからなかったけど(ーー;) (「ふたつでじゅうぶんですよ」のところだけは理解できたが)それでもああいう未来がアジアの文化に侵食されている様子とか、今で言うところのデストピア的荒廃をして人間がどんどん地球から出て行ってしまった世界の物語というのがあの頃(80年代初頭)すっごい新鮮で、しかもセットにしろ衣装にしろメカデザインにしろ、その全てがいちいちカッコいいということだけは我が輩の自室にあった14インチテレビ(これ粗大ゴミ置き場から拾ってきたものだったという・・・)でもおもいくそ伝わってきたのであった(こんときは単純に美術が素晴らしい!と思ってたな~)

その後83年頃に字幕の付いたビデオをレンタルしてようやくどういう話かというのがわかり(__;) 原作であるフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」も直ぐ読んで物語のアウトラインをなんとなく把握することができたのである(この時点で輸入版ビデオと出会ってから一年以上の時間が経っているという)

それで最初の頃の「ブレラン」に対する私の認識というのは先に書いたように美術面の魅力と、宴会でマネしたくなるような小ネタ(うどん屋のおっさんのセリフはあの頃映画好きの友人と挨拶代わりのように使っていたし、居酒屋で席の向かい合ったヤツと「ところで君の目の前では今カメが砂漠で裏返しになっている」と、レプリカント用のテストを突然始めてみたりとか)の面白さが前面に出ている映画というのがあって、そのため後々複数出たバージョン等で見られるようなデッカードがレプリカントかもしれない云々というのは正直「どうでも良いこと」だと思っていたのである。

輸入盤LDのダビングから始まったビデオソフト巡りも今では手許にあるのがブルーレイソフトの「ブレードランナー・クロニクル」だけで、これにはオリジナル劇場版/インターナショナル劇場版/ディレクターズカット版の3パータンが収録されており、私は最初に見た「オリジナル劇場版」にもっとも思い入れがあったので(デッカードのくどいナレーションが入っているやつ)特にそれ以外のモノは求めていないところもあったため、「ファイナルカット版」と「ワークプリント版」は未見ながらブレランはもう腹一杯消化したよと言う気分にもなっていたのであった。

そこへ来てこのたびのIMAX上映がその「ファイナルカット版」だったのは良い機会だなと思っていたし、何より好きな旧作をスクリーンで見返す喜びを(「午前10時の映画祭」や京都みなみ会館等で)ここ何年かで実感していたわけで、それと同じように今一度新鮮な気持ちでプレランを観賞しようと思っていたのである。

これがまあ改めて見てみると、IMAXのプラス効果を通算三度目で初めて感じたような気がしているのだ。映画のオーブニングで今は無きラッドカンパニーのテーマ曲が流れた時点で音がめちゃめちゃ良くなっているのに先ず驚いてしまった。直後の♪ばはばんっ♪で始まるヴァンゲリスのスコアも腹にずんずん響いてくるし、ファーストカットの2019年11月(実は再来月のはなし(ーー;))LAの夜景シーンでカメラが少しずつズームすると既に画面中央にタイレル社のビルがはっきり見えていたのもビックリした(何回テレビで見たかわからんけど、このシーンは飛んでいるスピナーと工場しか目には映らなかったのだよ)

そういう全編今まで気がつかなかったようなポイントがバンバンあったのが新鮮だったのと(しょーもないことで言えばゾーラ役のジョアンナ・キャシディが意外に良いおっぱいをしていたこととか(__*))音響の迫力がまるで初見の映画を見ているような感覚を与えてもくれたのであった。さらに画面のクリアさというのも単に輝度が上がっているだけではなく、必要な暗いシーンは明るくなりすぎないようにしつつもそこに何があるのかはっきり目視確認できる精細な絵になっており、メリハリが効いているのも一目瞭然。しかも画面が綺麗になりすぎることで昔のアナログ特撮の粗が目立ってしまうと言う弊害もそのこと(暗度をキープしたこと)で防いでいるというダブルの効果も生み出していたのであった。

映画が終わったときは久しぶりに「この環境で今すぐもう一回見たい」と素直に感じてしまったほどで( ̄。 ̄;)いろいろ思案したが今回はホント来て良かったなとしみじみ感動していたのである。そして人間こうなると虫の良いモンで、全然気にしてなかった「ワークプリント版」もちょっと見てみたいなあと方針変更しそうになっているのだよ。

また、この日一番思ったのは、IMAXをもっとも効果的に楽しめるのはこうした旧作を上映することではないかということ。今まで何度も見てきた映画をこういう形で見返すことで(比較対照できることで)隠れていた見どころを新発見できる可能性があるわけだから、新作よりは寧ろ過去の名作を中心にIMAX化を進めたほうが良いのではないかと、わたしは強く感じているのである。

「ファイナルカット版」「ディレクターズカット最終版」は現在Amazonプライムでも配信中

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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 2

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トガジン  

無念、見たかった!

『ブレードランナー』IMAX上映ですか~。
私としたことがその情報自体を全く知りませんでした。
不覚!。
まあ、知っていたとしても9月は色々と忙しかったんでIMAXのある劇場(京都:TOHOシネマズ二条)まで足を延ばす時間は無かったですが・・・。

私は当時(高校3年)、全く前知識無しのまま「あの『エイリアン』の監督が作ったSF映画だから」というだけで期待して見に行きました。
屋外シーンがラストの数カットを除いて全部雨という絵作りによる画面密度の高さと音響効果(サラウンド)で没入感を高めていると薄々感じていましたが、ロイが最後のセリフ「そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。」を言い終えたと同時に一瞬青空が映ったことに鳥肌が立つほど感動したことを覚えています。
「あ、この一瞬のために全編雨を降らせていたんだな」とその後何年もずっと思い込み続けていました。
私はデッカードよりも、どちらかというと架空の記憶に縋って生きるレプリカントの悲哀の方に意識が向いていたようです。
でも、ロイのあのセリフはルトガー・ハウアーのアドリブだったそうですね。
だからあの青空の画は急遽差し込んだものであって、前後のカットと雰囲気が違うのはそのせいだったんじゃないかと今でも思っています。

あと、私も時々聞こえる日本語のセリフがやたら記憶に残っていました。
高校卒業後大阪に出て「どんぶりゴロゴロ」(読売テレビ)という深夜番組を見たとき、まだ駆け出しの物真似芸人だった竹中直人が「二つでジューブンですよ」というネタをやってるのを見て「あ、この人かなりの映画通だな」と直感したことを覚えています(笑)。

IMAXが最新のデジタル映画より古いフィルム作品に向いているというのは私も同感です。
そのことは昨年秋に『2001年宇宙の旅』をIMAXで見たとき実感しました。
だから本当は「午前10時の映画祭」みたいな企画こそIMAXでやって欲しいですね。

2019/09/26 (Thu) 23:42
しろくろShow

しろくろshow  

「どんぶりゴロゴロ」なつかしいーです

>トガジン さん

こんばんは、コメントありがとうございました_(._.)_

「どんぶりゴロゴロ」私も見てましたよー(^^)竹中直人のブレランネタもなんとなく覚えてます(そのあと「誰にもわからないネタはやめよう」って話を終わらせていたような記憶が・・・)

ルトガー・ハウアーですけどなんでもあの鳩も彼が現場に持ち込んで「使おう」と提案したとかで、それを聞いてびっくりしてしまいました。実質クライマックスの自分の出番は彼が演出していたようなものだったんですね。

それで私は今回はじめて「ファイナルカット版」を見たわけですが、私見ですけどこのバージョンがいちばん見やすいようには感じました。「ワークプリント版」と併せてもう一回何処かで見直してみたいですね。

それにしてもこのIMAX版のブレランは本当によかったです。今度も旧作をIMAXでやってくれるなら何をおいても現地入りするつもりであります(エキスポで見たらもっとすごいんでしょうけど)

2019/09/27 (Fri) 19:46

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