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決して一人では見ないでください・・・うん、一人で見て後悔した

そんなわけで昨日の続き。

今回は三本の映画を二日に分けて深夜に見たわけだけど、ほんとは一晩で一気に見るつもりだった。ところが「サスペリア」のランニングタイムが2時間半もあり( ̄。 ̄;)(もうホラー映画の尺じゃないよね) こらとてもじゃないが起きてられへんなと考えて分割鑑賞することになったのであった。

このときはちょうど家内が二泊三日の旅行に出ていて自宅は一人だったし、何の気兼ねもなくこういうジャンル(家内はホラー系がだめな人なのだ)に戯れることが出来るという愉しみもあったから、無理して詰め込むこともあるまいという余裕があったような気がする。

もともと子供の頃から二本立て、三本立てといった上映方式は大好きだったし(東宝チャンピオン祭りと東映まんがまつりで育ったせいもあるかも)ひさびさの一気見にチャレンジしてみるのも面白いかとは思ったのだが「サスペリア」はこの記事でも書いたとおり公開当時からめちゃめちゃ楽しみにしていたので、これは体調万全で見た方が良いだろうという判断もあったのである(三月の高松公開時はとうとう行けなかったんで、先の二本を前座にしてもっと気分を盛り上げようという狙いもあったんだけどね)

さあそれで満を持しての「サスペリア」だったのだけど、いやもう鑑賞後は自分の中でこの気持ちをどう処理したら良いのか、ほんと困った事態に陥っていたのですわ。最初に書いとくけどこれ「サスペリア」のリメイク(リブート)としてやる意味あったんか?というものすごいわかりやすい感想が前面に出てしまってどうしようもなかったのだ(但し映画そのものがつまらん、と言うことでは無く以下に続く文章は「サスペリア」と思って見たのにコレどーなん?という個人的な文句でもある)

基本ストーリーはほぼ前作に準じているし、登場するキャラクターも大体一緒ということであれば間違いなくリメイクであると言えるのだけど、本作のルカ・グァダニーノ監督は旧「サスペリア」を素材としていただいただけで、わたしはまったく違うことをやろうとしていたように見えたのだった。とくに我が輩がいちばん気に入らんなと(ーー;)思ったのはどこかでアルジェント版に対する上から目線を随時感じてしまうところで(当然これはわたしの勝手な想像)オレが撮ったのはああいうただのホラーじゃないよ、というアートかぶれな見せ方とでも言うのかな?そこは強く感じた部分だった。

時代背景を旧作と同じ70年代後半のドイツに据えていながら、こちらは殊更当時の政治情勢を描くことによって「こういう国でこういう時代だからこそこんなカルト集団が存在したのだ」と余計な思想的エクスキューズを入れているように見えたし、意味ありげで判断に困るシーンがやたら多いのも「いろんな隠れテーマがあるんだよ」と小賢い能書きを聞かされているような気になってしまい、そのうえ映画の中ではいつまでたってもこっちが見たいと思っていた物(怪奇/恐怖譚)を見せてくれないのである。

アルジェント版「サスペリア」をめちゃめちゃ知能指数の低い感想で語らせてもらうと、あれはもう極彩色の風景の中で美少女がひたすら酷い目に遭っていくのをかっこいい音楽で繋いだ「だけ」の物語(良い意味でだよ)だとわたしは思っていて(「サスペリア」に限らずアルジェント映画ってだいたいそういうもの確信しているが(ーー;) ロリコンとは違う種類の倒錯趣味を持った監督さんではないのかなと)公開から40年以上が経っているが、あのセンスと力業は今見てもかなりスゴイと思っているのだ。残念ながら今回のリメイク版には旧作を見たときのような画面から受けた圧倒的なパワーというのは感じられなかったのである。

また、わたしは別にリメイクだから、リブートだからまったく同じ事をやれと言っているわけでは無い。↑上で「これのどこがサスペリアやねん」とは書いたけど、原典を自由な解釈で新しい視点で拡げていって貰うのは大歓迎だし、寧ろなぞるようなことは止めて欲しいとも思っているのだ(発展系の改変なら全然許せる) ただ、この新作はどちらかと言えば「マーターズ」のようなある目的を持って儀式を行う集団の話が物語の軸になっているために、主役のスージー(レディコミみたいな映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のダコタ・ジョンソン。クレジット見るまで同一人物とわからなかったわ(__;))が被害者なのか傍観者なのか首謀者なのかなんだか判別しがたい存在になってしまっているのも見ている方としたら良くわからなかったし、その儀式のクライマックスに至ってもビジュアル的にはけっこうなゴア描写がありながらホラーの要素はまったく感じられなかったのである(ここはまんま暗黒舞踊の舞台を見ているような感覚)

これは我が輩の完全な妄想だけど、おそらくルカ・グァダニーノという監督は旧「サスペリア」に某かのインスパイア(それも映画人として人生を左右するようなレベルで)を受けつつも「この映画はこうすればもっと良くなるのに」という修正意欲みたいなものをずっと持っていたのではないか。そしてわたしが感じた全編から受ける「上から目線」は実は作品そのものではなく、ダリオ・アルジェント監督本人に向けての物だったのかもしれない(旧「サスペリア」へのリスペクトが有りそうで無いのはそこなんじゃないの?と穿った見方したらそう思えたのだよ)

と、いうことでコワイ映画で涼もうという当初のもくろみは見事に失敗し、反対に深夜3時に怒りで体温を上昇させて寝るハメになったのであった(--#) しかしわたしは負けない、次の盆休みも恐怖映画を何本か集めて深夜の納涼避暑に再チャレンジするつもりだ(たぶん一つは「ゲット・アウト」か「ヘレディタリー」あたりになる予定)

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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 6

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楽珍劇場  

ご無沙汰してました

良いですね、納涼ホラー鑑賞会
ワタシがここ最近観た中では、邦画ですが『残穢』が印象深かったです
観た後しばらくは家の中の暗闇や物音が気味悪く感じました

で、ソレイユでの上映に行き損ねた『サスペリア』も動画配信でようやく観ました
やはりワタシもいまいちに感じましたね。怖くないし、そのくせやけに長いし

ただカリスマ振付師マダム・ブラン役でティルダ・スウィントンが出演していたのが嬉しかったです
『ドクター・ストレンジ』のエンシェント・ワンが好きなもので…
金星人みたいな神秘的な顔に魅かれます

この作品で一番びっくりしたのが、そのマダム・ブランと、カウンセラーの爺さんを同じティルダ・スウィントンが演じていると知った時でした

2019/08/05 (Mon) 22:28
しろくろShow

しろくろshow  

猛暑お見舞い申し上げます(~Q~;)

>楽珍劇場 さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

いやいや、こちらこそお久しぶりでした。こう暑いと恐怖に身を委ねて(ーー;)ヒヤっとしたいなと思うこともありますよね。今回のホラーチャンピオン祭りは大失敗でしたけど(__;) 今度はもう少し考えたラインナップで望みたいモノです。

「サスペリア」ですけどわたしもティルダ・スウィントンは実に頑張っていたと思いますし、こんな役でなんで出たのかよくわからない(出番の少ない)クロエ・グレース・モレッツやミア・ゴスみたいな若手女優も好演してたとは思うのですが、なんとなく彼女たちが頑張り損だったような気がしてしょうがないんですよね。

それとジェシカ・ハーパーもどうせ出すならもうちょっとなんとかならんかったんかと言いたくなりました(ホントの顔見せに終わっていたのが残念でした。それにしてもお年を召されてましたね・・・)

あとリメイクだと「チャイルドプレイ」も気になってるんで、お盆に入ったら行ってこようと思っています。


2019/08/06 (Tue) 18:19

マナサビイ  

こんにちは〜^^

サスペリアのリメイク版に関してですが、私の知るとある映画フリークの方も怒っておられましたよ(笑)

私は大人になってからオカルト、ホラー作品が苦手になってしまい、テレビのロードショーで放送されていた昔の「サスペリア」しか知らないのですが、その方もダリオ・アルジェントの描き出したあの独特の色彩感覚というか毒々しい雰囲気が昔から気に入っておられたみたいで、リメイク版を見て、なんじゃこりゃ、みたいに思われたみたいです^^;

私は見てないので詳しいことはわからないですが・・この予告編の映像からしても何だろう、オリジナルとはまるで肌触りみたいなものが違いますよね。
昔、天知茂さんが明智小五郎を演じた乱歩作品のドラマシリーズがありましたが、あの妖しくかつグロな世界観がもはや今のドラマでは再現できないのに近いような、あの時代だからこそ醸し出せた雰囲気みたいなものもあるのかなという気もします。アルジェントとの感覚の差という以外にも。

子供の頃は、サスペリアもですがそれ以上にサスペリア2がトラウマ級に怖かったです(笑)あの勝手に動き出す人形と音楽が。でも犯人当てのミステリー要素もあったし、今でも個人的には一押しのオカルト映画です^^

そこに持っていくと、ブレードランナー2049はやはり出来が良かったということなんですね。

2019/08/09 (Fri) 21:10
しろくろShow

しろくろshow  

すいません、遅くなりましたm(__)m

>マナサビイ さん

こんにちは、コメントありがとうございます_(._.)_

それからコメ返遅くなって申し訳ありませんでした。昨日まで実家メンバーのキャンプに行ってまして、この年で身内のガキ共の相手を延々としたせいか帰宅後は疲れで泥のように寝ておりました(ーー;)

「サスペリア」ですが、前作をお好きな人はリメイク版に対してだいたい酷評に向いているような感じでしたね。わたしもあれと同じ事やれ!っていうつもりは毛頭なかったですけど、あれだけ違うモノになっちゃうとなんのためにこのタイトル頂いているのか、意味ないじゃんと思ってしまいました。

原典をリスペクトする気がないのなら(製作サイドがそう公言しているわけではないにしろ、もしそういうことであるならば)まったくの新作オリジナルとしてこの映画を撮るべきだったのではと見終わった後ですごく感じましたです。

あ、それと天知茂の土曜ワイド明智シリーズわたしも好きでしたよ(^^)特に叶和貴子がヒロインだった「パノラマ島奇談」がお気に入りでした(伊東四朗の悪役ぶりがなんか妙におかしいのも楽しかったですし)夜9時からあれだけエログロがやれたなんて、ほんと今じゃ考えられませんね~。

それとじつは全然続編じゃない(ーー;)「サスペリア2」も面白かったですなあ(これはまだ同じ監督さんが撮った映画だから良いけど、なんか「サスペリア」と付いた亜流タイトルってじつはめちゃめちゃ有るんですよね・・・「サスペリア2000」とか「サスペリア・ナイトメア」「エア・サスペリア」とか(__;))

2019/08/11 (Sun) 12:39

pu-ko  

『サスペリア』のリメイクということで、いつか観るのを楽しみにしてますが、
なるほど、アルジェント監督に対する上から目線を感じたら、感情のもって行き所に困るファンも多そうですね。
レビューめちゃめちゃ参考になるし、映画鑑賞意欲も高まります。

そろそろブログに力を入れていきますので、どうぞまたよろしくお願いします。

2019/08/15 (Thu) 10:26
しろくろShow

しろくろshow  

ありがとうございます

>pu-ko さん

こんにちは、コメントありがとうございますm(__)m

「サスペリア」ですが少し前からAmazonプライムで無料配信されだしたので、もし会員になっておられるようでしたら見てみてください。

私はアルジェントファンの立場でプンスカした感想しか持てませんでしたが( ̄。 ̄;)最初から「別物」と思って見た人は案外この「奇妙な味」(ーー;)を面白いと感じてもらえるかもしれません。

※新居ブログにもまたお邪魔させて頂きますので、こちらこそ宜しくお願いいたします_(._.)_

2019/08/15 (Thu) 12:20

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