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天下取るまでくじけちゃならぬ、男一匹カイジュー大将

遅まきながらよーやく「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」を見てきた。

IMG_0820.jpg平日の最終上映だったにもかかわらずなぜか吹き替え2D版しかやっていないシネマサンシャインに少しだけ憤慨しつつ(我が輩自身は吹き替え自体に特に抵抗はないのだが、初見くらいは原語版でと思っていたのに、こんなオトナしかけーへんような時間になんで字幕版をやらんのかと、そのことに対する憤りもあって)まあ今回は怪獣がたくさん見られたらそれで良いと思っていたし、しかも彼らにセリフがあるわけでも無く、そこはあまり気にしないよう至って気楽に鑑賞へ臨んだのであった。

その吹き替えについてだが主役の声の田中圭は下手ではなかったけど、やはり30代で50代の声をアテるのは無理があったようだ。妻役の木村佳乃も声量が弱く言っていることが聞きとりにくかったし、なんと一番達者だったのが芦田愛菜だったというね(ーー;) なにせこれらの声は途中で慣れるから鑑賞上の妨げにはならないと思われる。

ちなみにこの映画で私が事前に聞いていたのは「三大怪獣・地球最大の決戦」のリブートであるという事だったのだけど、実際見てみたらばなるほどコレは「怪獣総進撃」ではありませんかという感じだったのである(怪獣とコミュニケーションできる機械を使っていろいろと事が起こっていくところとか、謎の組織モナークが世界中で何匹もの怪獣を収監しているとか→「怪獣総進撃」の場合は最初から小笠原の怪獣ランドに怪獣たちが集められ、そこから解放された連中が世界各地を襲撃するという展開だが、「キング・オブ・モンスターズ」だと解放されたその場所で暴れるため結果的には同じ事態に陥る)

そのため4匹しか出てこないと思い込んでいたところに設定上はトータル17匹も(ーー;)いるという話であれば、これはぜったい本家「怪獣総進撃」以上に楽しいカイジュー映画に違いない!と期待は膨らむ一方だったのだけど、うーむ、それがなあ・・・( ̄。 ̄;)なんというか今回はとても感想が書きにくくて、鑑賞直後のこの映画に対する自分の中のリアクションがとても弱いことにも驚いているのであった。

それがなんなのかというのは特撮ファンの防御本能で(ーー;)自分じゃ敢えて見ないようにしているところもあったとは思うのだが、考えてみれば我が輩の見たいと思っていたモノ(理屈抜きな怪獣同士の大バトル)は一通り提示してもらえたし、ストーリー面でも怪獣の邪魔にならない添え物として取って付けた程度の存在であれば良しだなという、そのへんの低く設定した自分の希望的観測ハードルも全部クリアしていたはずなのに、どういうわけだかこの映画にはちっともワクワクする物が無かったのである。

5年前の「GODZILLA」のときは条件が違うとは言え(あの当時は「ゴジラ・ファイナルウォーズ」以来10年ぶりの新作ゴジラが尚且つハリウッド製作で見られることの喜びがまずあったし)私はそちらの方が心揺さぶられる場面ははるかに多かったと思っているのだ。そらまあ5年前と違ってゴジラ廻りの環境(?)は今やすっかり変わってしまったわけで、国内版でも「シン・ゴジラ」やアニメによるゴジラ三部作等がこの5年間で一気に公開されたことで新作ゴジラそのものの目新しさはすっかり無くなっていたこともあっただろう。それでも今回の「キング・オブ・モンスターズ」に対してはもっと出来ることがあったんじゃないか?もっともっと単純なエンタメに特化することも出来たんじゃないのか??という悔しさとまでは言わないけど、どうにも食い足りない気分が己の中で充満した状態になってしまっていたのであった。

この「食い足りなさ」を自分なりに説明させて貰うと、たとえば「怪獣総進撃」であれば実際に怪獣達が世界の名所を次々に破壊していく場面を思いっきり見せていたのに対し、今回はそれがモニタで「○○に△△が出現!」とちらっとその画面を映して終わり、みたいな描写しかされずマトモに怪獣が暴れていたシーンはラドンが出現したメキシコだけだったというのもそうだし、そもそも都市破壊が売りの複数怪獣出現映画で市街地が殆ど出てこないというのも大いに不満だった(経費削減でミニチュアが激減した「南海の大決闘」以降のゴジラを踏襲しているのかと思ったよ←そんなオマージュならいらんけどもね(__;))

ほかのメイン怪獣達についてもラドンはカッコ良かったが予告の時から映像を見て心配していたモスラがやはりグロくてちっとも可愛げが無かったし、ギドラについてもアレはデザインの基本が昭和版ではなく平成版の方ではないかというイメージでビジュアルには"美"をまったく感じなかった(ゴジラは前回で「慣れ」があったせいか(__;)特に気にはならず)

その怪獣たちによる最終決戦だが、本家東宝のキングギトラより遙かに強い(国内版だと実はキングギトラってそれほど強いヤツでは無いのね(ーー;)「金星を滅ぼした」というスゴイ実績がありながら地球へ来ると大体最後は地球怪獣のかませ犬となってすたこら逃げていくという、一昔前の見た目だけは強そうな初来日の金髪系外人レスラーみたいな扱い)怪獣として描かれていた新ギドラ(どうせなら「シン・ギドラ」のほうがかっこええな)を倒すべく、人間の小賢しいコントロールから逃れた地球怪獣がゴジラの元に集まり対峙するというアツい流れを期待していたのだが、それも一切絡みがなく結局モスラ/ゴジラ対ラドン/ギドラという通常のタッグマッチの体で処理されてしまったのもあららという感じだったのである(唯一カッコ良かったラドンがこの怪獣同士の戦いに移行するとものすごい小物感を醸し出してザコ怪獣化してしまうのがひじょーに残念)

場面場面を切り取ればそれなりにかっこいい絵もあったのだけど、その割合やシーン数は前作「GODZILLA」の方が圧倒的に多くて、今回の場合だと何回も書いてしまうがラドンの出現+飛行場面が素晴らしく出来が良かったのと復活したゴジラがその全貌を現すところくらいで、全編でおおーっと唸りたくなる箇所はあまりなかったのが正直なところ。特に気になったのは怪獣があまり大きく見えない、巨大感の薄さというかその伝わり方の鈍さがいちいち引っかかってしまうのだった(我が輩の感性の鈍さの方が問題ありと言われればそれまでだが、少なくとも2014年の「GODZILLA」には全編にそれがしっかり存在していたのである)

で、上に↑「ストーリーは添え物で良いんだ」って書いたけど、その添え物ぶりもやや中途半端に見えてしまうところがあって、続編属性を出したいがためのラッセルファミリー(主にマーク(カイル・チャンドラー)とエマ(ヴェラ・ファーミガ)の夫婦)の存在がどうにも鬱陶しくてしょうがなかったのだ。いっそこの二人を最初から5年前の怪獣災害で死んだと言うことにしてマディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)だけを出してくればもっと見やすかったはず。

ここにはそのための要員として渡辺謙扮する芹沢博士がいたのだから、この役割は彼に振れば良かったと思うのである(もっというとあんなテロ組織なんかではなく、キラアク星人的なわかりやすいキャラを投入して説明不要な未知のテクノロジーを使ったギドラの解凍、その後の地球怪獣のコントロールという流れにしてくれたら←これだとまんま「怪獣総進撃」とおんなじになってしまうけど( ̄。 ̄;)個人的にはそれで全然OK。怪獣とのコンタクトもテレパシーでイケる!とごり押ししてくれれば良かったのに)

それから本作にはめっちゃ細かいオマージュがたくさんあって(怪獣を収監していたモナークの基地番号がモスラなら"61"ラドンなら"56"と日本で各主演映画が公開されたときの年度になっていたり、ファイヤーラドンやバーニングゴジラといった平成ゴジラシリーズ名場面の再現、唐突に名前が出てきてビックリした(ーー;)オキシジェンデストロイヤーの使い方とか、アレンジの渋い伊福部先生の"ゴジラのテーマ"選曲等々)カントクの「ゴジラ愛」というのがわからないではないのだが、すごくイヤな書き方をするとその熱意をもう少し違うところに廻してくれたらなという気分も私の中にあったような気はする。

誤解のないように書くがこの「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」は一般の人が見たら怪獣映画としては十分楽しい映画に間違いないのだ。今回はあくまでも老害トクサツ怪獣映画ファンの私がワクワクしなかったという事だけをだらだらと綴っているに過ぎないのでそこは注意されたし。

なので、ぜひいろんな年代の方にこの映画を見ていただき、各々に堪能して貰ったうえでオマエそれは違うで!っとツッコまれるのも良いのかなと、わたくし斯様に考えております。

あと、ラストシーンで怪獣達がゴジラの元にわらわらと集まってくるところを見たとき、我が輩は「男一匹ガキ大将」を思い出してしまった(当然ゴジラが万吉と言うことで)あの場面ではここ!こういうのを見たかったんや!!と思わず声出そうになったが(ーー;)ホントなら劇中にもっとああいう展開を投入して欲しかったよなあ・・・

最後にサントラについてだが、これはなかなかよく出来た内容だったのでそうとうに聞き応えあり。これについては前作「GODZILLA」ののスコアより気に入っている。特にブルー・オイスター・カルトの迷曲(?)♪GODZILLA♪がカバーされていたのは笑った。

 ※サントラはこちらで視聴可能
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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 6

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こじか  

No title

おはようございます^^
しろくろさんさすがです!穏やかな描きっぷりに鋭い納得の批評。わたくしも溜飲の下がらないまま劇場を後にしまして、楽しんだ部分よりもうんとマイナス評価が多すぎて少々ショックを受けた1人です。
「悪魔のいけにえ」の一家に肩を並べるレベルのハートフル狂人ファミリーでしたねぇ...この映画史上稀に見るおバカファミリーに翻弄され、最後は"ギドラ、やっちまいな!!"側でした笑) そうそうほんと「怪獣総進撃」を想起させられました!いっその事キラアク出してくれた方が物語もすっきりしていたんでしょうけど。

2019/06/24 (Mon) 08:40

ダリルジョン  

おはようございます!

流石のっ!
突っ込みどころがですよ!
ここまでの描写、怪獣オーソリティっぷり、
ネタバレする要所が、流石ですよ。
逆に引っ込んだ気持ちが、
無性に観たくなりした!

2019/06/24 (Mon) 09:39
しろくろShow

しろくろshow  

「溜飲の下がらない」←うーん、まさにそれでした(ーー;)

>こじか さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

なんですかね、やっぱりあの一家(特に完全に電波系の人にしか見えない奥さん(ーー;))の取り扱いがものすごい邪魔だったような気はしますね。ドラマが陳腐な物になるのは最初からあり物だと思って構えていたのに、同じ陳腐さでもこちらは笑えないしなにより楽しくないんですよね。ヴェラ・ファミーガは「死霊館」や「ベイツ・モーテル」なんかで好きな女優さんだっただけによけい残念に思いました(特にあの退場の仕方は酷いなと)

あと東宝怪獣以外の連中をもう少し見せて欲しかったなってのもあったんですけど(マンモスみたいなヤツがけっこう良いなと思ってしまいました)なんかあの中に確かムートーもいましたよね?いっそ次作ではこいつがアンギラス的なポジションで登場したらどーでしょーねー・・・

2019/06/24 (Mon) 18:42
しろくろShow

しろくろshow  

もっと気を遣うべきかなとは思いましたが

>ダリルジョン さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

映画の根幹にかかわるネタバレは普段から気をつけているつもりなのですが、この映画に限っては特に問題ないように感じました(ーー;) 特にその辺神経質にならずとも(いろんなところで情報収集してからでも)十分楽しめる映画であると思います。

今回は本文にも書いていますが、あくまでも高齢特オタの嘆き節みたいなところもありますので( ̄。 ̄;)フラットなお気持ちで見に行っていただければと思います。

※Amazonプライムで「怪獣総進撃」をご覧になってから見に行くとより面白いかもしれません。

2019/06/24 (Mon) 18:47

トガジン  

ゴジラを使ったアトラクション映画として最高です(褒めてます)

こんばんは。

なかなかキビシイ評価ですね~。
私の場合、これまで「IMAX」「スクリーンX」「4DX」とアトラクション的な楽しみ方ばかりをしていたせいか、しろくろShowさんのように深く(というより何も)考えずにド派手な怪獣バトルものとして楽しんでおりました(笑)。

そもそも前作『GODZILLA2014』からして日本のゴジラとは根本から設定が違っていたことから、この「モンスター・バース」のゴジラは全くの<別物>と割り切っています。
去年『ランペイジ 巨獣大乱闘』を観た時と似た気分ですね。

だから来年の『ゴジラVSコング』も展開を予想(妄想とも云う)しながら楽しみにしているところです。
17匹いるという怪獣軍団がゴジラ組とコング組の二派に分かれて全面戦争?とか。

実は私、今日4回目にして初めてスタンダードな2D字幕版を落ち着いて観てきたところなのですよ。
私も(娘の目の前で)元夫を見殺しにしてでも怪獣を使って地球の浄化を図ろうとするあの母親の行動だけは理解し難かったです。
「離婚の時、息子の死以外に何かあったのか?」とか「あのテロリストとどういう関係?」とか、その辺も描いてくれないと気持ちがついて行けませんね(笑。

2019/06/24 (Mon) 22:48
しろくろShow

しろくろshow  

望んでいたのは大団円でした

>トガジン さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

私が思う「キング・オブ・モンスターズ」のノっていけなさというのは主にドラマ部が「振り切ってない」ところではないかと考えてまして、どうせやるならもっとデタラメで良かったんじゃないかと言う気がしているのですよ。

それをあんな家族離散→犠牲者を出しながら再構築、みたいな「そんなんいらんやん(ーー;)」としか言いようのないものを見せられたのもかなりしんどかったですし、最初から三人家族そろってこの新しい怪獣事案に立ち向かい、そこでゴジラに対する贖罪と家族のキズナを再確認できるような(アホほどベタですけど(__;))そういうイージーな展開にしてもらっても全然良かったと思うのです。

たとえば「対メガロ」や「対ガイガン」みたいな唐突にロボットが出てきたり本気で地球を侵略する気があるのかないのかわからない宇宙人を出してみたり、そういうオイオイと思わせるさらにいえば「笑いながらツッコミを入れられる」ような話の中に現代のVFXで表現された怪獣達を活躍させてくれたら、もっとワクワクできたんじゃないのかなって(あと細かいことを言えばラドンもゴジラ陣営に入れて欲しかったってのはあるんですけど(^_^;))

それで今回はひたすら「ワクワクしなかったのはどうしてだろう」と(説明が下手なんでどこまでニュアンス伝わるかアレなんですけど、別にこの映画をつまなんいと感じたわけではないのです)自問自答したらなんかこんな記事になってしまったなと、そういう感じでした。

2019/06/25 (Tue) 19:03

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