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「PUFFと怪獣倶楽部の時代」の少し後の時代

この記事で書いたまんだらけ出版「PUFFと怪獣倶楽部の時代-特撮ファンジン風雲録-」(編著:中島紳介)が当初の予定より数日遅れて5/8に届き、結局GW期間中に読むことが出来ず読破するのに二週間以上を要してしまった(ーー;) 

※5/31からはアマゾンほか一般書店でも取り扱い開始

これがいったいどういう本であるかという概要については上記リンク先あたりを参照していただきたいと思うが、以前も書いたようにこの本は我が輩のような特撮第二世代(昭和40年前後に生まれテレビではリアタイで「仮面ライダー」「帰ってきたウルトラマン」等を見て育ち、映画では東映まんがまつりと東宝チャンピオン祭りの洗礼をモロに受けた人たち)が今で言う"特オタ"の世界に足を踏み入れるきっかけになった「第三次怪獣ブーム」(昭和52年~55年)を裏方として支えたライターさん方の回顧録となっているのである。

下画像の本やレコードを当時買った人も居ると思うのだが、これらの構成や編集を手がけていたのがこの本で紹介されているメンバーさん達で、自分にとっては学校の先生かあるいはそれ以上(言うなればジェダイ・マスターみたいなもんだ)とも言える存在の方々でもあった。また、この人たちは俗に言う「特撮第一世代」でもあり、ゴジラやラドンとともに生まれ(昭和三〇年前後)ウルトラシリーズを「Q」からリアタイで見て育ったゴールデンエイジでもあるのだ。
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IMG_0811_20190529200328acf.jpg今回は従来の読書感想文とはやや外れた内容になってしまうと思うのだけど、この本で語られている2冊の同人誌のうち主に「PUFF」についてのなんだかんだを綴ってみるつもりである。

そもそも同人誌という言葉すら知らなかった我が輩は79年に発行された朝日ソノラマ「すばらしき特撮映像の世界」の中で紹介されていた「PUFF」「衝撃波Q」「モンスターズ」の三冊が「ファンジン」(要するに「ファンマガジン」の略で意味合いは同じだけど当時はあんまり「同人誌」という言葉は使ってなかった気がする。ちなみに商業誌は「プロジン」と言われていたような)と言う呼ばれ方をしているのを読んではじめてその存在を知ったのであった(左画像参照)

その翌年創刊された同社の「宇宙船」創刊号ではメイン特集の一つとして「ファンジンインデックス」(↓下画像参照)というコーナーが設けられ、そこで先に出た「PUFF」「衝撃波Q」はじめ「コロッサス」等の主に特撮系評論ファンジンのバックナンバーが紹介されていたのである(「モンスターズ」は怪奇映画メインのファンジンだったので「宇宙船」Vol2の同ジャンルインデックス欄で取り上げられていた)

それぞれ各号の表紙画像(イラスト担当者の名前も)とページ数、発行時期、内容の紹介と担当ライター名などが記されており、その書き手の名前は殆どがそれまで目にした商業誌やレコードのライナー等で記事を読んだことがある人ばかりだったのである。もうそれを見ただけでこれらのファンジンを今すぐ読みたいと思ってしまったのだけど、当然在庫があるはずも無く各誌はそれぞれ次号発行を待って最新号を読むしか手立ては無くなっていたのであった。

中でも「PUFF」は発行頻度も多く、既にここまで20冊を出しておりボリュームも15号以降はだいたい150ページ程度をキープしていた(ほかは「衝撃波Q」が7冊で「コロッサス」が2冊)過去記事一覧でも興味を惹くタイトルが他の二誌以上にずらり並んでいたのにもたいへん魅力を感じていたのだ。

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とりあえずこのコーナーには各会代表者の連絡先が掲載されていたので、もっとも読みたいと思っていた「PUFF」の中島紳介さんにコンタクトをとってみたのであった。中島さんからはすぐ返事があり、次の21号ではウルトラシリーズのシナリオを大量掲載する特集が予定されているとのことで購入希望なら1000円の定額子為替を予約として送付するようにと案内が書かれており、その通り手続きをとったのだが、けっきょくこの話はここから2年の空白期間を生むことになってしまうのであった(詳しい顛末はココにも書いているが内容は一部重複)

で、はなしは今回の「PUFFと怪獣倶楽部の時代」へ戻るのだが、中島さん自身が「PUFF」と関わっていたのはちょうどこの時期(21号発行でバタバタしていた80~82年頃)が最後だったようで、それ以降についてはこの本の中でも殆ど語られていない。おそらくその分を補填する意味で「PUFFと富沢雅彦」という章を設けたのだろう(富沢雅彦さんは怪獣倶楽部のメンバーでもあり7号から中島さんとともに共同代表として「PUFF」を支え続けた人。21号以降の中島さん退陣後は一人で「PUFF」の編集をこなし、86年に29号(結果的にはこれが最終号となる)を出した直後、若くして亡くなられた)

私がホントに知りたいと思っていたのは実はこの「21号出る出ないで2年待機」した時期のことについてなのだが、そこは少しぼやかしていたというか、あんまり書きたくなかったのかなと少し穿った見方もしてしまったのだけど(ーー;)グループの創世から紆余曲折を経て中島さんがPUFFを去るまでの記述はとても叙情的で、ある意味青春にいったんピリオドを打ったようなニュアンスも伝わってきてなかなかの感動があったと思うのである(と、同時に残った富沢さんに対する複雑な思いや、彼が早逝したことに対しても胸中いろいろあったのか、この辺は言葉を選びながらも幾許かの後悔を感じさせる箇所もあり、読んでいてじつに切なかった)

それで全体の感想としてはこの「PUFFと怪獣倶楽部の時代」という本は著者の中島さんはじめ全国津々浦々にいた1970年代(情報が個人までなかなか届かない時代)の怪獣/トクサツ少年達が南総里見八犬伝の如く仲間を増やしつつ、その若いメンバーたちがやがては怪獣ファンダムの中心となり、のちに訪れる第三次怪獣ブームの発信元ともなった行程を記した礎的物語でもあったんだなと、私にはそう思えたのだった。

まさにコレを元にドラマ化された「怪獣倶楽部」の副題である「空想特撮青春記」を地で行く(あのドラマ自体はかなりのデフォルメがされているので、事実とは異なる部分も多々あるのだけどね(ーー;))アツい男たちの群像劇になっている本だとも言えよう。おそらく同じ特撮ファンでもこの「第三次怪獣ブーム」を体験していない人にとっては全然ピンとこない内容かもしれないのだが、ネットはおろかビデオすら無かった時代に特撮マニアの先人達がいったいどういう活動をしていたのか、少なくともこういうジャンルを好きな人であれば歴史の一端として知ってもらっても損はないと思うのである。

と、書いてるウチにずいぶん長くなってしまった。この本ではさらっとしか書かれていないPUFF後期の想い出話も少ししたかったのだけど、いったんこれで終了する。

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Posted byしろくろShow

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