FC2ブログ

遠い密林の彼方から、強い本がやってきた

今月Amazonで買った特撮オタ本二冊を読了。以下にそれぞれ短い読書感想文を記す。

「別冊映画秘宝 昭和メカゴジラ鋼鉄図鑑」・・・心配していた(?)本のサイズはやはりA4版で、家に届いたときは「しまった」と思ったが時既に遅し(__*)(個人的にはA5版で分厚いページの方が好みなのだけど、まあしゃーないわな)

それでもその不満を補って余りある内容だったのはさすがという感じで、たった2本の映画だけ(「ゴジラ対メカゴジラ」と「メカゴジラの逆襲」のみ)をネタにしてよくここまで掘り下げた編集が出来たなと感心するやら感動するやら(ーー;)

巻頭カラーページの70年代少年雑誌風(および怪獣図鑑的)グラビアは誌面が大判サイズだからこそ為せる技で、同世代を生きた怪獣ファンであればここだけであのころのワクワクした気持ちを再体験できること必至という構成にもなっているし、今まで見たことなかったようなメイキングスチルが満載なのも見どころ。

また、モノクロページになると途端に文字情報が多くなり、関係者のインタビューも相当な人数だったし当然役者さんへの取材も怠りなく行われている。終盤にはシナリオが準備稿+決定稿と2本ずつ計4本収録されており、私はこれが一番面白かったと思っている(どうでも良いけどこのシナリオのページにあるフォント、字小さすぎひん??( ̄。 ̄;)老眼持ちにはツラいわ)間違いなく特撮ファンなら「買い」の本。

MG1.jpg


「怪奇大作戦の挑戦」・・・「ウルトラQの誕生」「ウルトラマンの飛翔」「ウルトラセブンの帰還」に続く白石雅彦さんの初期円谷プロ特撮作品ドキュメンタリーシリーズ第4弾。

今回もさまざまな証言や大量の資料を集め「いったいあのとき何が起こっていたのか?」を検証するスタイルを取っているのはこれまでと変わらないが、この本ではもはや作品解説を飛び越えた事件や歴史の掘り起こし記事を読んでいるような気分にもなってしまった。

それというのもこの時期の円谷プロは会社として完全な低迷期に突入しており、その中でプロダクションにかかわっていた人たちのさまざまな人間模様が「怪奇大作戦」の制作進行とともにドラマ以上の深刻さで押し寄せているのが生々しく綴られているのである(金城哲夫や上原正三が円谷プロを離れた理由も巷間伝えられたことではなく「こういうことだったのか」というのが想像できたし、同じくTBSから円谷プロへ出向していた飯島敏宏や実相寺昭雄がああいう身の振り方をしたのもなるほどなと思わせてくれる)

これは栄華を極めた同族経営のベンチャー企業が凋落と解体の時期を迎え、それをどう再生していくのかという殆どビジネス書で語られそうな内容と全く同じなのが読んでいて辛くなるところでもあったし(大袈裟に言うと「王国の崩壊劇」でもあるわけだから、本としてはとても面白く読めるんだけどねー・・・(ーー;))夢の工房でもあり若い作家・技術者達の梁山泊でもあった円谷プロも"経営難"という怪獣には歯が立たなかったという現実にわたしは、いち特撮ファンとして、いち読者として、なんとも言えない虚しさを覚えてしまうのだった。

正直これで終わられると寂しいだけだし、この後新体制となって復活する同プロの事も忘れずに語ってもらいたいので、白石さんにはぜひとも「帰ってきたウルトラマン」のドキュメンタリー本も引き続き書いていただきたい。
IMG_0711_20190321190005384.jpg
関連記事
しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 2

There are no comments yet.

楽珍劇場  

キャッ ハズキルーペ欲しいです

この2冊はワタシも購入しました
確かにメカゴジラのシナリオは、小さい字がギッシリで目眩がしますね

ちょっと前に出た84ゴジラのムックはシナリオもちょうどいい文字サイズでしたが…

怪奇はブルーレイやエンターテインメントアーカイブも発売になりましたし、資料が充実してきて嬉しいです

2019/03/24 (Sun) 20:06
しろくろShow

しろくろshow  

ケン・ワタナベに同調

>楽珍劇場 さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

いやほんと、あの字のサイズは何とかしてほしかったですよね(何のための大判サイズだよっ!ってちょっと文句言いたかったです(ーー;))それを除けばひじょーに満足度の高い本でした

「怪奇」は番組終了50周年という節目の扱いなのか、今年はこの本以外にもいろいろ出るようでAmazonのチェックが楽しくなっています。ただあの「エンターテイメントアーカイブ・怪奇大作戦」はシリーズ全冊値段が高いのと、基本写真メインの編集なので私の好みからするといまいち食指が湧いてこないんですよね(特撮秘宝がA5サイズで「怪奇大作戦研究読本」みたいなの出してくれたらぜーったい買うんですけど)

これはサントラの完全版についても同じで、「怪奇」の唯一の弱点(と、言うと極端ですが)は音楽の弱さだと思ってまして、それまでの宮内國朗、冬木透、冨田勲といった劇伴担当メンツに比べたら玉木宏樹/山本直純のコンビは少し印象弱いかなってイメージがありまして、たぶん今回はパスだろうなという気がしています(プルーレイはめっちゃ欲しいんですけど(ーー;)これも価格帯の問題で手が出ないので、落ち着いた頃にチャンネルNECOの円谷枠でやってくれんかと(^0^;)儚い期待に賭けています)

2019/03/24 (Sun) 20:51

Leave a reply