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ドアの裏からオオ!来る来る来る帰ってくる

「ぼぎわんが、来る」読了。これで映画版の「来る」を見てから(それ去年の12月の話だよオイヾ(・∀・;))ようやく自分の中で補完および完結ができた気分。
IMG_0629.jpgそれにしてもたかだか400ページ未満の長編を読むのにこんな遅読になってきたようでは今後の読書生活(?)に自信が持てなくなりそうだ(実質二ヶ月もかかってしまった。これからは明るい部屋で目が疲れない体勢かつ首や肩が凝らない、もっと言えば眠くならない読書方式に変えていく必要があるな)

こういう原作付きの映画の場合わたしはまず映画版を見て少しでも面白いと感じたら原作を読むようにしているのだけど、当然作品によってはその順番で消化できないケースもあるがそういうときは「この話がどのように映像化されるのか」「キャスト誰になるのか」と言ったそこいらのごくごくふつーな期待感を持って映画を見ている。

とりあえずその映画版の方を中心に感想を書いておくが、私はなんと言っても公開前の宣伝に完全にだまされたところがあって(「リング」の貞子を超える恐怖!という煽り方をしておきながら実際流れたテレビスポットはアンタッチャブルのザキヤマと今くるよを起用した完全なギャグ仕立て(__;) しかも「来~る~」「どやさどやさで今「来る」よ」と、持ちネタをダジャレで落とす超ベタなパターンで)見ている方からしたらこれはきっと内容がホントに怖すぎてお客さんが来てくれないかもと心配した映画会社が「逃げ」で作ったCMではないのか?と、必要以上に裏読してしまうところもあったのである(;゚ロ゚)

ましてや原作の方も第22回日本ホラー小説大賞を受賞(作者の澤村伊智はなんとこれがデビュー作だったそうだ)しており一般読者筋の評価も高い小説となればそういう期待(コレは死ぬほどコワイに違いない!ひょっとしたら小便ちびるかも!的な)をしないのがおかしいわけで、今にして思えば我田引水でめっちゃ自分に都合の良い解釈をしたまま映画館に行ってきたのだろうなと・・・( ̄。 ̄;)

結論から先に書くとこの映画「来る」で我が輩が感じた恐怖レベルは正直それほどでもなく、寧ろ正当または純然たるホラー映画ではなかったのかなと私には思えたのだった(映画始まって直ぐからの数分だけはまあまあコワイが、ホラー臭があったのはソコだけだったかも)これをムリヤリでもあえてジャンル特定するのであれば「お祓いエンタメ」とでも言うべきか、同一視して良いのかどうかは判断しかねるのだが、りんたろう監督のアニメ版「幻魔大戦」のエスパーの扱いを祈祷師(エクソシスト)に変えた物と思ってもらえばイメージしやすいかも。

但し怖くないからつまらないかというとそういうわけではなく、先に書いたとおりエンタメとしてはかなり面白かったと私は思っているのである。自分で勝手にめっちゃコワイ映画だと決めつけていたから「え?思てたんとちゃうやん(ーー;)」と一瞬反応してしまっただけで、映画の属性としては「妖怪ハンター・ヒルコ」、近年だと「貞子vs伽椰子」のような現代妖怪/モンスター(物の怪)ムービーでもあり、それに創作民話や都市伝説をブレンドした味付けの巧みな好編だったと思っているのだ。

映画の方で特徴的なのは「けっきょく"ぼぎわん"ってなんなん?」(小説では"ブギーマン"(映画にもなっているアレですわ)という言葉が海を渡って日本に伝わっていく過程で、ある地方では"ぼぎわん"という名前で定着したと語られていた。小説版はこうした言葉遊びを随所で物語に埋め込むのが巧妙で、じわじわあとからボディーブローのように効いてくる)という点をぼかしたまんまにしている点で、その正体が少しずつ判明していく中、実体を最後までハッキリ見せず物語を進行していたのはミステリアスで強敵イメージを最後まで崩すことなく機能していたし、その流れで最終決戦(ここでの中島哲也監督の演出は「対決」を「祭り」のような見せ方にしていて、それに意味があるのか無いのかよくわからない「大袈裟ぶり」は観客サイドの高揚感をすごく煽られている感覚があり、そこは妙に気持ちよかった)になだれ込んでいくあたりではもう映画のムードが「陰」ではなく完全に「大・陽」となっており、ホラー映画の香りは一切しなくなっていたのであった。

また、この映画でさらに面白かったのは原作同様三部構成となっているところで、主役(語り部)は順次交代していくのだけど、特に二部(主役=黒木華)の項は完全に原作を超えていると思わずには居られなかった。一部の妻夫木聡の"リア充アピールのうざさ"が本気で腹立つところもかなり心がざわざわして(__;)良かったのだが、黒木華のパートでは毒親(母)に育てられて「ぜったい母のようにはなるまい」と誓っていたはずの彼女がどんどんそれに近づいてしまう女としての業の部分というか、この描写がすさまじくもリアルでなんとも言えないエロスを感じてしまったのである(我が輩はこの映画で一気に黒木華のファンになってしまったよ)

公開は終わったけどDVDが出た暁にはホラー映画だと思って敬遠していた人にそうじゃないから安心して楽しんで欲しいと言いたいが、ゴア(残酷描写)シーンは「IT/それが見えたら終わり」程度はあるので、あれがアカンかった人はちょっとしんどいかも。でもくどいようだけど映画としてはまちがいなく「エンタメ」だったよと断言しておきたい(中島哲也監督は前作「渇き」がイマイチだっただけに今回はかなり挽回できた感じがしたなー)ちなみに原作の方はまごう事なき「ホラー小説」で、こっちはけっうコワかったッス(ーー;)

ともかく今回は原作も映画版もなかなかのアタリだったというはなしでした。
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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 3

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kei  

自身のブログに感想記そうとして、まだやっていないので、こちらに書いておきます。

私、この映画、中島監督の大ハッタリ映画だと思っております。
現代(平成)版、日本版「エクソシスト」。特にクライマックスにそれを感じました。大げさなセットと登場人物で。

一つ、わからなかったのは、あのマンションなんです。
亭主が亡くなって、その保険金でマンションのローンは支払われたのでしょう。
でも、あんな死に方されて、それでも奥さんはあの部屋に住むでしょうか?
マンションを処分して、それを生活費(アパート代含め)に当てませんかね。
原作ではどうなっているのでしょうか?
そこを知りたくて、原作読もうかなと思ったもので。

2019/02/22 (Fri) 16:09

kei  

ちなみに中島監督は、映画化にあたって、原作のイメージとは違うアプローチをしているにもかかわらず、作品は、きちんと原作の〈核なる〉ものを残していて、原作と同じ感動、感銘を与えてくれます。
「下妻物語」「嫌われ松子の一生」がまさにそんな映画でした。

2019/02/22 (Fri) 16:18
しろくろShow

しろくろshow  

金額不足的なニュアンスでした

>kei さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

小説の方では保険がまだ下りて居らず、出ても金額が足りない旨の記述がありました。それとオカルト事例に対する妙な慣れと( ̄。 ̄;)亭主に対するどこかざまあみろ的な思いもあって引っ越しは考えていないようなニュアンスだったと思います。

原作はとても読みやすい構成で読書家のKeiさんでしたら、おそらくわたしみたいにダラダラかからず(^_^;)即読破できると思いますので、ぜひご一読ください。

それと中島監督は私も大好きな監督さんです(いつぞやのオールタイムベストテンでも「下妻物語」に一票を投じました)些細な日常をドラマチックに仕立て上げる技はほんと毎回楽しみでした。今回もそれは顕著に出てましたよね(^^)

2019/02/24 (Sun) 09:25

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