やっと逢えたね、と辻仁成ばりに呟いてみる
少し前のエントリーで羽仁未央さん逝去の事を書いた際、参考画像として「スターログ」創刊号の写真をアップしたがこれは私の所持しているモノではなくネットから拾ったモノに過ぎなかった。自分が持っていたツルモトルーム版「スターログ」はキューブリック特集の載っていた26号から「ザ・フライ」のブランドルフライが表紙だった100号までで、そのうえそれも10年ほど前に他の本達(朝日ソノラマの「ファンタスティックコレクション」や「宇宙船」、徳間の「スーパービジュアルマガジン」、講談社の「○○大全集」等、大判でビジュアル中心のものとケイブン社の「大百科」や小学館の「コロタン文庫」シリーズ等、小さいけど本棚のスペースを占拠しやすい物ばかり)と一緒に叩き売ってしまい、今や一冊も手元には残っていなかったのである。

「宇宙船」は元々発売当時(1980年)に同じ物を買って何百回も読んでいたので懐古気分以外の物は特になかったけれども(ーー;)メイン特集の「ファンジンインデックス」を読み返したらそのころ(中二の頃)「PUFF」「衝撃波Q」「コロッサス」の各代表さんに購読のためのコンタクトを取った事とかを思いだしてナツカシさのあまりつい涙出そうになったよ・・・(T^T) 他でも開田裕治画伯の"THE MECHANICS"(「禁断の惑星」のロビーや「宇宙家族ロビンソン」のフライデー等の想像内部図解)なんかも同様に懐かしかった。

今改めて読むと当たり前だが情報として有用な物は何も無いけれども( ̄。 ̄;) この当時の「SW」が起こした"熱気/熱さ"というのは読んでいても十分伝わってくるものがある。また、本誌は「スターウォーズ」公開の年そのブームに乗っかるような形で創刊された雑誌ではありながらあくまでも雑誌の括りは「SF」という大きなジャンルを扱っているため映画・ドラマは当然のことながら小説・アート・音楽等々、扱うジャンルはさまざまだ。
その編集スタイルはまさに「僕の知っているスターログ」そのもので、最初から既にそうしたポリシーが出来上がっていたというのは嬉しかったし、途中で芯がぶれたりすることはなかったんだと感心もした。しかしこうしてかつての愛読書だった物と再会しふたたび手許にできたというのは状況もスケールも違うけれども、なんとなく「里見八犬伝」で仁義八行の玉を見つけたかのような気分にもなれますな。

「別冊映画秘宝新世紀特撮映画読本」・・・一つ前の記事でも取り上げた本だが、全体としては国産海外問わず"特撮映画"というジャンルが今後いったい何処へ向かっていくのだろうかというのを冷静に分析したムックでもあり、ひじょーに読み応えは深かった(私個人は特に切通理作はじめ各論客の対談内容が面白かったと思っている)
「本多猪四郎 無冠の巨匠」・・・その切通理作が書いた本多猪四郎監督の評伝。過去数多の特撮系書籍が出版されてきたが、本多監督関係の物だとだいたいはご本人(または関係者)のインタビューおよびエッセイであるとかが多く、作品解説等ではどうしても特撮パート(要するに円谷さん側の仕事)の方を語られがちだったと思うのだけれども、この本のようにあくまでも一監督としてその作品論、演出論が語られたことは私の記憶では殆ど無かったように思うのである。しかもそれが劇場作品だけではなくテレビ作品にまで言及されているのは読んでいて新鮮だった(無論私が知らないだけで今までそういう物もあったのかもしれないけど、あくまでも個人的にそう感じたということで)
「東映特撮物語矢島信男伝」・・・主に東映作品で活躍された矢島信男監督のロング・インタビュー本。この人の名前は昭和のトクサツファンならみんな知っていると思うけど、ここまで詳しい経歴というか半生について書かれた内容はどれもこれも初めて聞くことだらけ(ご本人がいたって豪快な人物であるというのも初めて知った(^◇^;))また同時にこれも今までそんなにフィーチャーされてなかった特撮研究所の方々の話も取り上げられており、そのパートもじつに興味深い。
「別冊映画秘宝タイムトラベル映像読本」・・・表紙見た瞬間ぜったい売る気ないやろ!って思ったけど(ーー;) (むかし学研が出してたオカルト本の表紙かと思ったわ)中身は編集者の趣味が良い意味で偏向してて楽しい読み物になっている。考えてみたら「タイムトラベル物」というのはジャンルとして(カテゴリーとしたらSFの中の一つになるんだろうけど)未だ根強い人気を保っているし、この本で紹介されている映画なんて僕からしたら嫌いな/つまんないヤツは一本もなかったくらいだから( ̄。 ̄;) その鉄板ぶりがわかるという物だが、読了後はこれでベスト10組んでみるのも面白いかもしれないなと思ってしまった(我が輩なら一位に「タイム・アフター・タイム」を推すはず)
今回は古書/新書含めてハズレはゼロ。それぞれ年末年始にもう一回読み込んでみようかと画策中。
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