友達がいる仲間がいる、友情がある愛がある、でもでもおカネが無いよ

999円だし大判で写真もいっぱいあるガイド誌も付いてるなら手を出してみようかと一瞬思ったが、少し前に買った北米版ブルーレイでガメラは全部揃ってしまったので結局読んだ後はそのまま棚へと返させてもらった(ーー;)(ごめんね、本屋の人)
今後のラインナップを見たら46号まで予定されておりガメラや大魔神や妖怪シリーズ以外でもかなりの本数が収録されるらしく「透明人間と蠅男」や「怪談佐賀屋敷」「赤胴鈴之助 一本足の魔人」のような、なかなか渋いところも控えているようだ(DVDソフトは買い控えている自分だが、長谷川一夫の「四谷怪談」が出たらさすがに買うかもしれんなあ)
そして本ブログ上では完全に記録し損ねていたが、実は北米版ブルーレイ「ガメラ・アルティメットコレクションVolume.2」は7月末に我が家へ無事届いていたのだった。Volume.1の時と同じく注文から納品まで20日程度待たされたが、価格は送料込みで1330円とさらに値が下がっていたのである(ーー;)(本体価格はとうとう1000円切っていたな)
収録されているのは「ガメラ対大悪獣ギロン」(69)「ガメラ対大魔獣ジャイガー」(70)「ガメラ対深海怪獣ジグラ」(71)「宇宙怪獣ガメラ」(80)の四本。全てガキの頃にそれぞれ7~8回ずつくらいはテレビで見た映画ばかりだけど(以前も書いたが「ジグラ」だけはなんとな~く映画館で見たような曖昧な記憶が残っている)オッサンになってから見るのはたぶん初めて。

本編の8割近くに役者がほぼ4人しか出てこない「ギロン」、ありがとう万博/EXPO70の「ジャイガー」、ありがとう鴨川シーワールドの「ジグラ」、そして編集の人お疲れ様の「宇宙」といった具合で、ギャラの低いであろう役者を主演に並べたかと思うとわかりやすいタイアップ(「ジャイガー」の万博会場は違うという記事も読んだことあるけど、この流行り物へ乗っかかったやり方自体が安易だと思うわけで)でなんとか舞台を用意しているといった風情がよりもの悲しさを感じさせるのだった。
そこには初期作のような大怪獣スペクタクルというものはもはや一切無く(ーー;) どちらかといえば狭い特撮ステージと限られたミニチュアセットの中で行われる"怪獣寸劇"のような状態になってしまっていた。しかしながらドラマの要素が端から端まで「明」と「陽」のムードで構成されているためにガメラが戦闘中に突然体操選手のまねごとをしたり、敵怪獣の背中で音楽を奏でたり(岩で角を木琴のように叩くと音が鳴る)と言った文字にするとまったく冗談にしか思えないような動きを(^0^;)見せても何故か平気で受け入れられてしまう、また許せてしまう空気をこれらの作品は持っていたのである。
これはひとえにスタッフサイドの「どんなに低予算でも必ず子供に楽しんでもらえる物を作ろう」といった気概というかそういうものを見ているこちらが感じたからだと思っているが、だからこそ当時子供だった我々はガメラを見捨てることなく最後まで見続けたのだろうし(子供は少しでも「つまらん」と思えばその場で容赦なく切り捨てる冷徹な選択眼も持っているわけでね)それは今改めて見直しても随所で感じる部分ではあった。
主役を必ず幼稚園~小学生くらいの子供二人組(ひとりは外国人)にして、彼らの目線で物語が展開されるようになっているのは観客である同年代の子供からするとこれほど感情移入し易い物はない。その彼らがあるときは宇宙へ行き、あるときは海底や怪獣の体内へ侵入しガメラと一緒になって活躍するのを見ていると自分も冒険に参加しているような気分になれたことだろう。
そう考えるとここまで子供に対するサービス精神を徹底させたことは賞賛に値すると思えたし低予算とはいえ決してバカには出来ない映画群でもあったなと、これは僕にとってたった1300円でいろんな事を考えさせられたソフトでもあったのである。

画質・音質はこれくらいクリアだったら全然問題ないと思っているけど、プレーヤーとの相性によっては何カ所か音飛びするところもあった(それが仕様なのか自分のだけがそうなのかはわからないが)なので、ガメラシリーズと大魔神シリーズに関しては高画質で低価格(なおかつ一枚で複数本収録されているのを)を求める人なら北米版ブルーレイ、SD画質(特典や音声については不明)でも一作ずつきちりケースに入ったガイドブック付きの物を求める人にはディアゴ版をすれぞれお薦めするべきかと思っている。
最後に色々ツボだったり意外だったりしたことを箇条書きでまとめ。
○「バシフィック・リム」でナイフヘッドのモデルとなったギロンだが、やっぱり本家の方が愛嬌あってかわいい。いっそあの隠し手裏剣もそのままパクってくれればよかったのに(しかしコイツは一度見たらまず忘れられないような独特のフォルムを持っているなあ。デザインのセンスが奇抜でほんとに素晴らしい)あとハッチから出てくるシーンは思っていたよりかなり格好良かったし、ずっと2足歩行の怪獣だと思っていたら四つ足だったので驚いた。
○地球人親子を宇宙船に拉致して「我々の科学力を誇示するために今から東京にマグニチュード13の地震を発生させる」と宣言するジグラ星人の言葉を聞いた子供が突然「ぱぱ、マグニチュードってなに?」と質問してきたのもビックリしたが、それを丁寧に「それはね」と説明を始める父親のシーンがものすごく可笑しかった( ̄。 ̄;)(その間ジグラ星人のおねいさんは棒立ちでそれを聞いているという)
○「宇宙怪獣ガメラ」新撮部分(どんな事情だかは知らないが宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999とガメラがすれ違う場面があったり等)の"浮き上がり感"が半端無く凄まじい。そもそも誰が得して喜ぶのかわからないマッハ文朱の起用がハッキリ言ってそうとうミスマッチ。同じ女子プロなら当時まだ現役だったミミ萩原を出してくれた方が個人的には嬉しかったかもしれない(ソレも含めてサービス精神豊富だったと言うことなのだろうけどねー・・・)
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