止まらないWar~War
午後から所用があったために朝一番の上映時間(8時半)を狙い劇場に赴いたのに(平日の起床時間より起きたのは早かった(__;))館内は既に長蛇の列が。うへーと辟易としながら列の最後尾に並んでみるもこの時点で8時20分。お盆時期で人が多いのわかっていながら4つあるチケットカウンターが半分しか空いていないのはバイトのシフトを完全に間違えているよ→シネマサンシャインの人。
で、上映開始の8時半が来た時点でまだ前には15人くらいの人が待っていたのでこれはアカンかなあと思っていたら係の人が「ワールド・ウォーの方はこちらへどうぞ」と案内してくれ、先にチケット発行してくれたのだけど(本編開始は49分からとかで)どうやらこの日の混雑は「謎解きはディナーのあとで」と「風立ちぬ」と「仮面ライダー/スーパー戦隊」の客でほぼ占められていたようだ。
実際チケットもらって部屋に入ると「ワールド」の来場者は目視でカウントできるほど少なかった(ーー;) 映画本編のスタートには間に合ったけど、せっかく早く来てスクリーン内もこんなに人いないのに予告を一本も見られなかったのはなんか損した気分。ここのシネサンって正月やGWなんかもだいたいこんな感じで毎回一切の対策が取られていないのが実に腹立たしい(--#)
さて、それで肝心の映画の方はオープニングのタイトルバックが流れている間に現況がさらりと説明され「この世は既に大変なことになりつつあるのだよ」というのを短い時間で旨く表現しているのがひじょうに分かり易い導入部となっている。その流れに乗って上映開始から15分程度でフィラデルフィアが騒動になっていく様をものすごいスピードで見せていくのが掴みとしては最高。
そしてこの映画では人がゾンビへと変貌していく理由をウィルス感染による物という設定にしており、襲われて噛まれたりすると死ぬよりも先に12秒程度(__;)でゾンビ化してしまうというのが映画構成上の「時間の都合」を感じずにはいられなかったのである(時間勿体なくていちいち死ぬの待ってられへんがな!みたいな。たぶんこの映画はホントならあと1時間くらい尺が必要だったんじゃないかと思ったなあ←実際の上映時間は116分)
したがって話のスタートからブラッド・ピットが感染経路の調査をするために世界各地を巡り、その先々でパニックに陥りながらWHOの研究所に辿り着くまでは枝葉もなければ伏線やネタ振りみたいなのも殆ど無く(薄~いのはちょこちょこあるけど)とんでもないスピードで物語が進んでいくためにダレたり飽きたりと言った中だるみは微塵も感じられなかった(展開が早いので某かにツッコミを入れたりする機会もあまりなく)極端な言い方をすればココまでは文字通り「息つく暇もないほど」ガンガン話が進んでいくのである。
で、残念なのはここまで良い流れで尚且つ話のスケールも失速することなく来ていた物語が、トーンダウンとまでは言わないが突如として「よくある地味系ホラー」の映画になってしまい(ココだけ切り取って見たら「バイオハザード」の1本目と大差ない感じ)さっきまでの華麗なテンポはどこに行ったんだと思えるほど終盤では息切れ感を強く感じてしまったのだ。
それで見終わってから感じるのはやはり脚本の雑さ、粗さと言った部分になってしまうのだけど、重要と思われた登場人物の扱いがあまりにテキトーだったのはおそらく先に書いたような「時間のなさ」から来ているのではないかと想像しているのだが、それにしたってもう少し説得力ある行動(ハッキリは書かないけど最後のブラッド・ピットが取る行動など、もう少し知恵を使えよとおそらく誰しもが言いたくなるはず)を主要キャラ達に取らせてやれないものかと言いたくなってしまったよ(他にも「ここはまず一言あってからやるべきじゃないの」みたいな場面が多々)
映画の勢いが失速した後はそういうアカンところが目に付いてしまい、個人的にはちょっと残念な気分で終わってしまったけど、それでも中盤までの怒濤の展開には一時も目を離せないような緊張感が溢れていたし、元来元気のあるゾンビなんて好きになれなかった者の一人としても(映画自体はどちらも好きなのだが「ドーン・オブ・ザ・デッド」や「28日後・・・」のゾンビみたいに全力疾走するタイプがどうも性に合わず)一つの画面でこれだけの数のゾンビが暴れ倒しているド迫力の映像を見せられれば(ゾンビモノでこんな凄い映像は初めて見たよ)もはやそんな文句など言えなくなってしまうだけの説得力も感じられたわけで(ーー;)
そういう良かったところもいっぱいあるだけに余計終盤のヘナヘナぶりが惜しいと思える、ある意味珍しいゾンビ映画ではなかったかと僕は思っている(レイティング対策のためなのか直接的残酷描写が全くないのも驚いたし・・・)でもこういうのも嫌いじゃないので(^_^;)続きがあるならたぶん見に行くことだろう。
ちなみにピンポイントで爆笑した唯一のツボは"北朝鮮ではウィルス感染が拡がらなかった理由"が大マジメに語られる所。アレは別にストーリーには絡んでこないので単なる緊張緩和のための箸休め場面だったのかもしれない。
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