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墜ちてゆくのも幸せだよと

アップする順番が前後になったせいでややこしくなってはいるが、僕にとってはこちらが2014年最初の映画館参戦なのである。

そんなわけでこれは1月10日のはなし。年が変わってからやっと夫婦で映画館に行く事ができたのだけど、新年一発目からこんなに面白い映画に当たるとは幸先良いと思っておかないとイカンな。直前まで「永遠の0」と「ゼロ・グラビティ」のどちらのゼロ映画にするかで家庭内意見調整を行った結果、この日は「グラビティ」の方に決定し、「永遠」の方はもう少し先延ばしとなったのだった(これだけヒットしておれば一月末までは確実に上映しているはずだし)

「ゼロ・グラビティ」

 

自分の周りでは既に見て来てた人も多く、ブログ仲間の皆さんも鑑賞済みの方が何人もいて殆どの人から好意的な感想で迎え入れられていたこともあり安心感と期待の入り交じった気持ちをキープしたまま見たのだが、上映時間90分で己から湧き上がってきた集中力はとんでもない高さがあったようである(ーー;)(おかげでドっと疲れたな・・・)

映画ファンも長いことやってると年齢と共に大概のことには驚かなくなって劇場やテレビの前では殆どふんぞり返りで構えていることが常となっしまうところがある物だが(ちょっとエラそうに上から目線で「けっこう頑張ってるやん」みたいに(ーー;)イヤな見方してる方が多いような気がするな。時々ビックリしたり感心したりして前のめりになることもあるけれども)この映画みたいにずーっっと前傾姿勢で次どうなるんだろうと不安感に苛まれた映画は久しく無かった。

本編の九割近い舞台として登場する宇宙空間での体験など当然ながら自分にはないので(__;)アレのどこまでが科学考証として正しいのかは知る由もないが、少なくとも「呼吸ができない苦しさ」というのは自分でもわかる。そのため冒頭から徹頭徹尾酸素切れとの戦いが続くのを(またそういう場面を常に用意しているのは後から思うと見せ方としては旨いなと思えたが)眺めているとこちらまで過呼吸を起こすのではないかと思うほどの苦しさを意識として共有できたし、同様に宇宙という上下左右の存在しない不安定な空間の中で自分だけが居ることの寂寥感や、待避できる場所がどんどん狭く小さくなっていく事への閉塞感なんかが数分おきにどんどん大きくなっていくのは見ているこちらも主人公のサンドラ・ブロックの心境に限りなくシンクロしていく錯覚を生んでいたと思うのである。

しかもこれ物語としては"宇宙飛行士がトラブルで大変なことになりました。さて、どうでしょう?"という初期のダウンタウンの漫才みたいなネタを一気呵成且つマジメにやってるそれだけの話なので、上に書いたようなすれっからしの映画ファンが「ふふん、どーせこうなんでしょ」とか「ほほー、そう来ましたか」みたいな腕組んでニヤニヤするような猶予など一切与えてくれてはいないのだ。なので「90分前のめり」というのは冗談でも何でもなくて映画始まって五分後には絶対そうなるよと(ーー;) 未見の方には余計なお世話的予告もさせていただきたい。

説教臭い部分も全然無いし枝葉も伏線もなにもないオンリー脱出劇の娯楽作(死体の見せ方とかはなかなかホラー風の描写であのあたりはショック的隠し味としても効いている←この辺もホントに人間の体があんなことになるのかどうかわかんないけど、あれだけ展開が早いとたぶん途中から科学的リアリティなんか特に気にはならないと思うよ)として端から端まで楽しめる傑作だったなと僕は思っているのである。

ちなみに自分が見に行った劇場ではノーマル3Dでの上映だったが、もしこれがIMAXでやっていたらホントに酸欠で倒れるんじゃないかと、そんな心配をもしそうになってしまった(@@;)(劇場によったら真剣に"紙袋必須"とかになったりしないのかと)

それから役者サイドではサンドラ・ブロックも映画と言うことを考えたらもう少し綺麗に映るような形を取ってもおかしくないと思うのだけど、本作ではただのガタイが良いおばちゃんにしか見えないのが宇宙飛行士(科学者)としての説得力を生んでいたようにも感じたし、ジョージ・クルーニーの方は逆に何処までもカッコ良い映画らしいキャラ設定になっていたのが二人芝居メインの中では適度なバランスを形成していたのではないかと個人的には思っている。

そして最後まで明かされなかった「半ズボンの毛むくじゃら」とは何か?或いはこれが続編へ繋がるキーワードなのかもしれないなと少し余裕を取り戻してふんぞり返る体勢に戻った私は今そんなことを想像しているのである(そんなもんあれへんあれへん( ̄。 ̄;))
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しろくろShow
Posted byしろくろShow

Comments 16

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つかりこ  

珍しくお褒めのことばですね

うおー、やっぱりおもしろそうですね!
いこいこ、観にいこー。
ご案内、ありがとうございました!

2014/01/19 (Sun) 03:39

映画カッパ  

やっぱり、
大阪か松山に行って観るべきなのでしょうか?
さすがに、北島では…。
と思ってしまいますね??

2014/01/19 (Sun) 13:27

しろくろShow  

座る位置にはご注意を

> つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

面白いのは私が保証しますので(あんまりアテにはなんないですけど(ーー;))是非ともご覧になってください。あんまり前の席だとちょっと酔いそうになるかもしれませんのでお気をつけください。

2014/01/19 (Sun) 19:52

しろくろShow  

北島でもイケるとは思います

>映画カッパ さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

北島では二番目に狭い部屋(100席のところ)でやってましたけど、僕はあれくらいでちょうど良かったなと思いましたよ(真ん中あたりで座ってました)

あれ以上スクリーンサイズ大きくしてIMAXみたいな音と振動付きで見たらホントに息止まるんじゃないかと心配になってしまいます(ーー;)

たぶん絶叫系アトラクション平気な人なら大丈夫なんでしょうけど、元々苦手な私は北島レベルでも満足しています(^_^;)

2014/01/19 (Sun) 19:58

晴雨堂ミカエル  

久々に感動した。

 エド・ハリスが管制官役で声だけ出演していましたね。彼は90年代に「アポロ13」でジーン・クランツ首席管制官に扮していましたから、それが縁でしょうか。

 「アポロ13」も本物の無重力をつくって演技する凝りようでしたが、気に入らない部分がありました。それは効果音です。音の無い宇宙空間でロケットの噴射音や機械船の爆発音などが入って興ざめでした。

 その点、本作は無粋な効果音はなく、宇宙飛行士が宇宙服の中から伝わる振動音のみ描写して、あとは不安感をあおるBGMでカバーしていました。これはさすがです。
 
 ラストのサンドラの仁王立ちに萌えです。命溢れる重力の大地に立つ美脚が神々しかったですね。

2014/01/21 (Tue) 22:49

しろくろShow  

あ、それは気がつかなかったです

>晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>
あ~、エド・ハリスはまったく気がつきませんでしたねー、もっとちゃんと確認しておけば良かった(正に適役)

それと音の使い方は僕もすごく気に入ってまして、昨今の映画にあるような落ち着きの無いガチャガチャした曲もありませんでしたし(喧しすぎてたまに邪魔になるときあります(ーー;))「静けさ」の中での諸々な展開は怖さも感じさせてましたね。

エンドロール終わって館内明るくなったときに思わず「ふぅぅ~」と息吐いてしまいましたよ(^_^;)

2014/01/22 (Wed) 18:32

楽珍劇場  

地球って素晴らしい!

長編ストーリーを追いかけるのが辛くなってきたワタシにとって、シンプルに映像を楽しむ事ができる本作は実にGOODでした!

東京の友人はIMAXで観て、飛んでくる破片を反射的に避けてしまったと苦笑しておりました・・・(羨ましい!)

同じキュアロン監督作品では、『トゥモロー・ワールド』も何気なく観て"思わぬ拾い物”として印象に残ってました。
今後の活躍にも期待です!

2014/01/22 (Wed) 22:01

しろくろShow  

90分というのが良かったですね

>楽珍劇場 さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

確かに短い時間で枝葉のない話だからこそ集中して入り込めるところはありますよね。詰め込みすぎて上映時間が何時間もある映画より、実はこれくらいなランニングタイムの映画の方が視聴生理に合っているのかもしれません(まあ日本の怪獣映画なんかはほとんど100分以下ではありますけど(^_^;))

「トゥモロー・ワールド」も一回見たきりなんでこの機会に「大いなる遺産」とか「アズカバンの囚人」と一緒に局地的キュアロン祭りとして一通り見返してみようかなと思います(まず録画したDVDを探す作業から入らないとアカンのですが・・・)

2014/01/23 (Thu) 18:41

-  

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/01/29 (Wed) 16:15

しろくろShow  

ありがとうございます

>鍵コメさんへ

コメントありがとうございました<(_ _)>

こちらでもさっそく反映させていただきましたので今後とも宜しくお願いいたします。

2014/01/29 (Wed) 18:17

つかりこ  

ご存知ですか?

他の方のブログで知りましたが・・・
↓コレ観られたことありましたか?

https://www.youtube.com/watch?v=quPQl-2aXcE

ご存知でしたら、失礼ご容赦ください。

2014/01/31 (Fri) 02:37

しろくろShow  

見て来ました

>つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございました<(_ _)>

スピンオフのネットムービーがあるのは聞いていたのですが、まだ見たことはありませんでした。情報のご提供ありがとうございます。

映画の中のアノ場面の向こう側がこう言うことだったとは(^_^;)なかなか面白いと思いましたね。

2014/01/31 (Fri) 21:25

つかりこ  

あ、肝心なコトを書くのを忘れていました。

ご案内にあずかり、先週の日曜日に観てまいりました!
IMAXではなく、フツーの3Dてす。
すごくおもしろかったです。

これは、3Dとか2Dとかの問題ではなく、
とてもよくできた映画ですよね。
ワンシチュエーション的な場面設定ですが、
プアーさが微塵もないですし、
スクリーンにおもいっきり入り込まされますね!
本編中盤で、なぜかポロポロ涙が出てきました。

生とか宇宙とか、哲学的なことまで考えさせられます。
いい作品ですねー。
ご案内ありがとうございました!

2014/02/01 (Sat) 02:09

しろくろShow  

甲斐があります

>つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

そう仰っていただくと書いた甲斐もあったように思います。楽しんでいただけたようで私も嬉しいです(^^)

2014/02/01 (Sat) 20:28

たかのツメ  

やはり 観てしまいますよね!

お久しぶりです。 
この作品は、是非とも IMAXだな!と シロクロさんもそう思いましたか(´∀`*)。


そして 寝る隙は一切与えず エンドロール出るまでお預けでしたし・・・
破片がやってくるところから もう ガン見でした。(^_^;)

さて

アカデミー賞 何部門制覇するでしょうかね?

2014/02/12 (Wed) 01:24

しろくろShow  

それはそうとご無沙汰しています

>たかのツメ さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>
お久しぶりでしたねー(^^)

2月入ってちょっとへたってますが私もなんとか頑張ってます(ーー;)(ブログの更新はこの週末くらいを予定)

体感型のアトラクションムービーとしても秀逸だと思いましたけど基本的に作品自体の出来が素晴らしかったと。あんまり宇宙映画でオスカーもらえた記憶がないので微妙ですが、何か賞はもらうでしょうね。

2014/02/12 (Wed) 20:35

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  • ☆ゼロ・グラビティ(2013)  GRAVITY 上映時間 / 91分 製作国 / アメリカ 監督:アルフォンソ・キュアロン 脚本:アルフォンソ・キュアロン ホナス・キュアロン 撮影:エマニュエル・ルベツキ 視覚効果監修:ティム・ウェバー プロダクションデザイン:アンディ・ニコルソン 衣装デザイン:ジェイニー・ティーマイム 編集:アルフォ...

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